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子宮筋腫について子宮筋腫について

女性において最もなじみのある疾患かもしれません。筋腫ができた場所、大きさ、発症年齢に応じて治療法を患者様と一緒に考えていきます。当院での治療法はすべて保険診療の範囲内です。手術療法(子宮全摘出術、筋腫核出術)、偽閉経療法(GnRH製剤を使用)、経過観察、です。
2014年の最大の話題はモルセレーター(子宮や筋腫を細分化し、腹腔内から組織を腹腔外へトロッカーを経由して回収する機器)の製造販売停止でした。アメリカFDAの勧告に基づき製造販売メーカーが製造中止を決定したことで腹腔鏡下手術の手法も変化を余儀なくされました。アメリカFDAの勧告の元となった論文によると、27人/1万人の割合で子宮体癌、7人/1万人の割合で婦人科がん(子宮体癌以外)、11人/1万人の割合で悪性度不明子宮平滑筋腫瘍がモルセレーター使用手術を受けた患者さんに見つかった、とのことです。モルセレーター機器の原理上、悪性腫瘍細胞が腹腔内にまき散らされた可能性は高く、安全性において問題があると報じられました。国内の施設では術前に十分精査することでこれまでモルセレーター使用手術患者さんに悪性腫瘍がみつかったケースはごく少数と報告されていますが、今後も悪性腫瘍がみつかることはないという保証はできないため、モルセレーターを必要とする手術に関しては慎重に判断したいと思います。また、術前に腫瘍(筋腫含む)を十分精査し、悪性の可能性を極力排除した状況で子宮温存手術を行うよう努めています。

2016年4月