「ゲノム医療」について、メディア等で見聞きしたことがあるという方も多いかと思います。「ゲノム」とは、遺伝子「gene」と、すべてを意味する「-ome」が組み合わされた単語で、遺伝子をはじめとした遺伝情報の全体を意味し、一人ひとり異なった情報を持っています。
「ゲノム医療」は、その個人の遺伝子情報をもとに、病因や治療法を同定する医療のことを言います。
一方、病因にはゲノム情報と環境的要因(生活習慣など)が複合的に関わり合って、どちらが強く影響するかは、病気ごとに異なります。その中でゲノム情報が発症に強く関係する病気に対しては、遺伝子情報を解析する遺伝子診断が適応となります。
「ゲノム医療」は、個人のゲノム情報に基づいて行われるため、一人ひとりに合った病気の予防や治療(個別化医療)が可能となるのですが、稀に、家系内で同様の疾患が見受けられることがあります。その方に遺伝子診断をおこなうと、同一の遺伝子変化が認められる場合があります。
「大切な家族の病気を予測し、大切な人を守りたい」。当外来は、そのような皆様の想いに寄りそっていきたいと考えています。
SECTION01
当院は「一般社団法人日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構」認定の「遺伝性乳癌卵巣癌(HBOC)総合診療連携施設」です。遺伝学的検査の結果に応じて、当院婦人科(玉田裕 副院長)や「岡山大学臨床遺伝子診療科」「福島県立医科大学乳腺外科学講座」と連携し、適切なサーベイランス(定期的な精密検査)をおこないます。また、将来的ながんの発症リスクを避けるためにの「リスク低減乳房切除術(RRM)」「リスク低減卵管卵巣摘出術(RRSO)」などについても、患者さまと一緒に考えていきます。
SECTION02
「家系内に同じ病気を発症する人が多く、自分も病気に罹る可能性があるか知りたい」「医療機関で遺伝学的検査を勧められたが、どういったものなのか詳しく知りたい」、このようなことに関して詳細を聞きたい方を対象に「カウンセリング」をおこなっています。現在、その病気に罹っている方も、罹っていない方、どちらも受診可能です。特に、家系内にがん疾患が見受けられる方には、遺伝学的検査についてお話ししながら、さまざまな診療科と協力してがん予防を目指します。紹介状や当院の受診歴が無くても受診可能です。
SECTION03
※現在調整中
SECTION04
(1)当院の主治医に相談
(2)遺伝子外来の予約
(1)現在通院されている医療機関の主治医の先生に相談
(2)通院中の医療機関から当院の地域医療連携室へお申し込み
(3)遺伝子外来の予約
SECTION01
「がんゲノム医療外来」は検査外来です。ご紹介いただいた患者さまに対し「がん遺伝子パネル検査」をおこない、現在通院中の主治医の判断に必要な情報を提供します。なお、検査後の治療は現在治療を行っている主治医の判断となります(この検査結果が、主治医の判断よりも優先されることはありません)。
当院のがんゲノム医療外来は「岡山大学病院臨床遺伝子診療科がんゲノム医療外来」と連携しています。
(https://www.okayama-u.ac.jp/user/hospital/index328.html) また「遺伝性腫瘍関連遺伝子バリアント保持者と関連腫瘍発症関連因子検討のための前向きコホート研究(中央西日本遺伝性腫瘍コホート研究)」(岡山大学学術研究院医歯薬学域 病態制御科学専攻 腫瘍制御学講座 臨床遺伝子医療学分野 平沢教授)に参画し、今後の患者さんとそのご家族の健康のために情報提供させていただく予定です。
SECTION02
当外来の対象となる患者さまは「かかりつけの医師から紹介があった方」になります。「遺伝子外来」と異なり、一般の方は対象となりません。
がんは遺伝因子や環境因子などの様々な要因で、体の細胞の遺伝子が変化して細胞が増殖のコントロールを失ってしまう病気です。がん細胞の遺伝子に起こっている変化(病的バリアント、変異)は、患者さん一人ひとり、同じ患者さんでも細胞ごとに異なります。「がん遺伝子パネル検査」を用いて、がん細胞に起きている遺伝子の変化を調べ、がんの特徴に合わせた治療法をご提示することを目指します。「がん遺伝子パネル検査」では、患者さんのがんの診断や治療に役立つ情報を得るために、がんにおける多数の遺伝子を一度に解析します。解析結果は医師、薬剤師、看護師、臨床検査技師、認定遺伝カウンセラー、バイオインフォマティシャンをはじめとした多職種の専門家からなる「エキスパートパネル」といわれる様々な分野の専門家会議で議論し、治療効果が期待できる薬剤や、参加できる可能性がある臨床試験・治験の有無を含めた、最適な治療法を検討します。
SECTION03
「がん多遺伝子パネル検査」を簡単に言うと「一度にたくさんの“発症リスクがあるがん”を調べる検査」です。この検査をおこなうことで、将来的にがんがどのように進行するかを予測し、より適切な治療計画を立てることができる他、それぞれのがん細胞特有の遺伝子変化を調べることで、より効果的な治療法を選択することが可能となります。
●検査方法
血液やがん組織を採取し、そこからDNAを採取します。
抽出したDNA情報を解析し、がんリスク、がんの遺伝子変化などを調べます。
※備考
「がん多遺伝子パネル検査」は、検査費用が自己負担となる場合があります。
また、検査結果が判明するまで数週間~数カ月ほどかかります。
SECTION4
(1)当院の主治医に相談
(2)主治医から当院の「遺伝診療部外来」に申し込み
(3)申し込み完了後受診日を調整
(4)受診日には「当日持参書類」をご記入の上お持ちください
(1)現在通院されている医療機関の主治医の先生に相談
(2)通院中の医療機関から当院の地域医療連携室へお申し込み
(3)申し込み完了後受診日の調整
(4)受診日には「当日持参書類」をご記入の上お持ちください
※患者さん個人からの直接の予約は受付ておりません。
SECTION05
乳腺・甲状腺外科 部長
平成13年3月 | 福島県立医科大学医学部卒業 |
平成13年5月 | 福島県立医科大学医学部付属病院 第二外科 研修医 |
平成16年12月 | 福島県立医科大学医学部付属病院 第二外科 助手 |
平成19年10月 | 福島県立大野病院 外科医長 |
平成25年5月 | 埼玉医科大学国際医療センター 消化器病センター 消化器腫瘍科 講師 |
平成29年9月 | 福島県立医科大学医学部付属病院 遺伝診療部消化管外科学講座 臨床腫瘍センター 講師 |
令和5年4月 | ときわ会常磐病院 |
SECTION06
専門領域:婦人科腫瘍
平成6年3月 | 慶應義塾大学医学部 卒業 |
平成6年4月 | 慶應義塾大学産婦人科学 入局 |
平成15年5月 | 医学博士(慶應義塾大学)取得 |
平成28年4月 | ときわ会常磐病院 |
令和3年10月 | ときわ会常磐病院 副院長 |
乳腺・甲状腺センター センター長
常磐病院において乳腺診療を担当しております尾崎章彦と申します。私は2010年に医学部を卒業し、震災を契機に2012年に福島県に移住、外科トレーニングを開始しました。2014年からは浜通り地方に移り、乳がんを専門とする外科医として診療を続けてまいりました。その中で、東日本大震災後の浜通り地方の乳がん患者さんの健康被害などについても調査を行い、地域に返すような作業を続けてまいりました。
2018年には、以前より縁があった常磐病院において乳腺外科を立ち上げる機会に恵まれました。「飛び込みの受診もお断りせず」をモットーに診療を続け、3年間での外来延べ患者数は5,000人を超えております。2020年の乳がん手術件数は90件、外来化学療法実施件数は557件であり、2021年は、ありがたいことに、さらに多くの方々の治療に携わらせていただいております。まだまだ若輩者ではありますが、地域の方々にお役に立てるよう取り組んで参りますので、お気軽に病院までご連絡いただけますと幸いです。
平成22年3月 | 東京大学医学部医学科 卒業 |
平成22年4月 | 国保旭中央病院初期研修プログラム |
平成24年4月 | 竹田綜合病院 外科 |
平成26年10月 | 南相馬市立総合病院外科 外科 |
平成30年1月 | 大町病院 |
平成30年7月 | ときわ会常磐病院 |
SECTION07
〒960-1247 福島県福島市光が丘1
〒700-8558 岡山市北区鹿田町2-5-1
SECTION08