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2014年10月30日
みなさん、こんにちは。
リハビリテーション部の鈴木です。
紅葉も少しずつすすみ、通勤時にも秋の深まりや空気感を感じます。
入所者様も朝の寒さを感じておられ、会話の中でも寒さの話題が増えているこの頃です。
さて、今回は当苑のご利用者様である方の新たな趣味とその効果について、紹介させて下さい。
この方は、定期的にご利用されており、入浴、リハビリ、精神面のリフレッシュ(同郷の方々との会話
など)を楽しみに過ごされています。数カ月前までは伝い歩きができていたのですが、再発により
両下肢に麻痺が残ってしまいました。生活動作の殆どに介助を受ける状態になってしまい、当初は
ショックが強かったですね。
リハビリでは、精神面のサポートにも重きを置き、傾聴する時間を多く取りながら関わるようにしまし
た。徐々に、障害を受け入れようとする様子が感じられる頃、ご家族様との会話の相談が増えてきまし
た。”自分の思うような言葉をかけてもらえない、”とのことでした。ご本人様はなにか、理由づけをし
たい様子でした。
リハビリ時、話のきっかけに、と他の利用者様の、ある作品を紹介してみました。作品を見た途端
「まあ、きれい。すてきね~」との言葉の後、「私もやってみたい!」との声が聞かれました。
それまで、素晴らしい作品を見て感動はしても、自分がやってみたい、とは思わなかったそうです。
「この年齢にして、新しい事をやるようになるとは思わなかった。とても楽しい。」
それは”刺し子”です。色を始めとして、とても興味を持ったようで、早速、始めることにしました。
それからは自宅でも毎日10~15分程度、ベッド上で楽しく行うようになりました。ご利用時は、
毎回、進捗状況を見せて下さり、私自身も喜びを共有させていただいています。
その後も、リハビリ時には、ご家族様との会話について話されることはありますが、受け取る側として
ご本人様の捉え方が前向きになってきているように感じています。
無心になって好きなことに打ち込める時間がなんらかの力になっているのでしょうかね。
ご家族みんな、それぞれの立場での思いがある中で、お互いに思いやりを持って、良好な関係で生活を
していけたら最高ですね。