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2016年07月15日
こんにちは。
作業療法士として働く傍ら、
(生)兵法家として研究に勤しんでいる川又です。
今、研究中なのは
『迂直之計(うちょくのけい)』
かいつまんでいえば
「早く目的地に着きたいのであれば、場合によっては遠回りしたほうがいいかもね」
という計謀(計略)です。
そこで今回は『迂直之計』が有効であったAさんの事例を紹介します。
認知障害を持つAさんは、運動が嫌いで
「運動しましょう」とお声掛けすると
「そんなことやらないよっ(*`益´*)」
と顔を真っ赤にして怒ります。
そんなやり取りが続いたある日のこと。
天気がよかったので散歩にお誘いすると
「散歩?いいねっ」
これまで見たことがない笑顔で返事が返ってきました。
散歩の道中、懐かしい故郷の想い出や
草花について楽しそうにお話しする様子がみられました。
気分がよさそうな頃合いをみはからい
「ついでだからリハ室で運動していきますか?」
と声掛けすると、返ってきた言葉は
「たまには運動もいいねっ」
これは1年前の話になりますが
今でもこのやり取りを続けています。
一緒に散歩しながら四季折々の草花を愛で
それを摘んでお部屋に飾ったり
故郷の話をして楽しむ(ついでに運動も)。
回り道をして見つけたのは
単に“運動する”ことではなく
“散歩しながら一緒に懐かしい話をして、草花を楽しむ”
という作業でした。
生兵法は怪我のもと。
興味がある方は『孫子(の兵法)』をご一読ください。