文字サイズ:

スタッフブログスタッフブログ

7月17日は理学療法の日

2016年07月23日

こんにちは。リハビリテーション部 理学療法士の鈴木です。

7月17日は「理学療法の日」でした。
本年度、福島県では16日に県民公開講座として理学療法士である山田 実先生による介護予防の講演が開催されました。主には要介護認定者の推移と課題、要介護になる要因のひとつであるフレイル(意味は”虚弱” 日本老年医学会が2014年5月にfrailtyを語源として提唱)とその対策についての講演でした。内容を少し紹介いたします。


テーマ「今日からはじめる介護予防」
      講師:筑波大学大学院 人間総合科学研究科 准教授 山田 実先生

2025年には団塊の世代の方々が後期高齢に入り、急激に後期高齢者数が増加すると予想されている。後期高齢者の要介護になる要因としてフレイルが主要因であると明確に示されている(前期高齢者の主要因は脳卒中)。

フレイルとは、健常な状態と要介護状態(日常生活でサポートが必要な状態)の中間の状態のこと。
フレイルには身体的(筋力・バランス低下、持久力等)な要素以外に、心理・精神的(認知機能低下やうつ等)、社会的(閉じこもり等)な要素があり、これらが絡み合いながら要介護を引き寄せると考えられている。
●評価指標は次のもので、5個中3個あてはまったらフレイルの疑いがある。
□ 体重減少 (日本人の体格だと、1年間で2~3kg減っていたら要注意)
    □(最近、以前より)疲れやすくなった
    □ 筋力の低下 (例えば、買物で2㍑のペットボトルなどを運ぶのが大変に)
    □ 歩くのが遅くなった (横断歩道を青信号の間に渡るのが難しくなった)
    □ 身体の活動性の低下 (最近、趣味のサークルに出かけたりしなくなった)
   

予防としては、運動、栄養、そして社会参加に対して介入することが重要である。具体的には、簡便かつ継続可能な運動(散歩や足踏み、片脚立ち等)を週に3~4回 + 栄養面ではバランスの取れた食事とタンパク質の摂取を多くする。仕事の継続や地域活動への参加も合わせて推奨する。



当苑入所者の方は要介護認定を受けており、フレイルの時期は過ぎてしまっていますが、車いすを使用せずに過ごされている方もおられます。各々身体面の衰えを少なからず感じており、転倒の心配の声を聞くこともあります。

担当している利用者様は、あしの疲労や痛みが出ることを心配して歩いて散歩にいくことに消極的になっておりました。不安を解消するために、しばらくは車いすで外まで行き、その場で歩く機会を持つようにし、徐々に距離を長くしていきました。ある日、いつも通り散歩へ行くことを提案すると、気分が良いことも手伝い、歩いて外まで出ることができました。現在は毎回ではないですが、体調の良い日は歩いて散歩に行くことを希望するようになり、草花の鑑賞を楽しむこともできるようになりました。
ここ最近は、他の利用者様と会話をしながら廊下を歩く姿をみることができております。


個々の利用者様が楽しみを持ちながら生活できるようにこれからも援助していきたいと思います。

≪次の記事へ一覧へ戻る前の記事へ≫

介護老人保健施設 仮設楢葉ときわ苑

介護老人保健施設 仮設楢葉ときわ苑

福島県いわき市内郷

☎0246-27-1117

看護師サイト

二人のソプラノSempre ff 土井由美子と常盤梢