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地元いわきの高校を卒業後、ときわ会の奨学生として、准看学校に進みました。医療関係の仕事(給食師)をしていた母親からいろんな話を聞いていたこともあって、実はもともとナースキャップに憧れていたんです(笑)。
でも自分が飛び込んだ医療という世界では、体験するすべてが初めてのことばかり。それまで抱いていた憧れだけのイメージとは違って、これはたいへんな仕事なんだということがすぐにわかりました。
准看学校では、化学や英語、体育といったごく普通の授業のほか、解剖学や病理学といった科目、そして実際に患者さんに接する実習などを経て、准看護師(県知事による
免許)の資格を取得。そして准看護師として5年間の経験を重ねた後、2年間高等看護学校へ。国家資格である高等看護師としてのキャリアは今年で7年目になります。
准看学校で勉強している頃は、朝7時過ぎから8時くらいまでの約1時間、いわき泌尿器科での実習を行なってから学校へ。授業が終わるのが4時頃、4時半に病院に戻って、6時まで実習。そうしたスケジュールの毎日でした。
その頃、准看学校に通う仲間が7〜8人いました。私自身は自宅からだったのですが、ときわ会の寮から通学する仲間たちも。学校の勉強を通じて、看護師という仕事の大変さに接して、途中であきらめてしまうひとも、なかにはいましたね。
現在、外来と手術室を担当。外来では、ひとりひとりの患者さんに対して症状をお聞きしたり、採血や検査など診察前のご説明をしたりします。また手術室では、腎臓や膀胱、前立腺といった泌尿器科系の手術が数多く行なわれます。今日もシャントといって、人工透析の患者さんに必要な、血管と血管をつなぐブラッドアクセスの形成手術に、インタビューの直前時間まで入っていました。
麻酔にしても実際の手技にしても、手術の様子が患者さんには見えないことが多いので、ご本人のお気持ちを和らげて、安心して手術に臨んでいただくことができるようにお声をかけたり、手術の間、手を握ってあげたりします。
外来の場合でもそうなんですが、診察に際して、先生に対してご自分で話すことを躊躇なさってしまわれる場面で、患者さんの「声」になってあげること。それは、看護師という仕事でとても大切なことだと思います。
患者さんのお顔や表情を見ていると、あ、先生に何か伝えたいのだなということがわかる(ような気がする)んですよ。
泌尿器科というのは糖尿病や腎臓病と密接なかかわりを持ち、開腹手術はもちろん、内視鏡を使った手術までその内容も様々、とても
奥の深い診療科目です。「腎臓から下のすべて」に関係する医療分野だと云えるかも知れません。
若い患者さんの場合、泌尿器科での受診を照れくさい、とお感じになる方がかなりいらっしゃいます。問診表をご自身で記入いただくのですが、例えば性病の検査など、気恥ずかしさで本当のことを書くのをためらう患者さんがおられるんです。きっと女性が婦人科に行く時に緊張するのと同じなのだと思います。
気恥ずかしいとか、緊張したりとか、そうした患者さんの気持ちを良く理解したうえで、いろんな心配りに努めたい、いつもそう心がけています。
私たち看護師はプロのスペシャリストなので、照れたりなさらずにお越しいただけたらと思います。ご自身でお感じになる症状が進んでしまってからではなく、ぜひ早い段階での受診をおすすめしたいですね。
もう10年以上前、ある患者さんの手術を前にして、鼻から胃に入れるマーゲンチューブ(胃管カテーテル)という管を挿入する処置をしていた時のこと。
痛がっておられる患者さんに、「頑張ってくださいね」と、励ましの言葉をかけながらチュープを入れ続けようとする私に、「この痛み、看護婦のあんたにはわからないだろ」と、叱られたのです。
その後高看の実習でマーゲンチューブの挿入を自分で体験する機会があったのですが、そのあまりの痛みに、愕然とする想いがしました。あの時の患者さんの「痛ぇっ」というつらい気持ちは、これだったのだと…。
業務に慣れてしまって、患者さんおひとりおひとりの苦しみがわからないのは絶対にダメだと、決して忘れることのない、強烈な教えとなりました。
患者さんとの信頼関係を築くことができたとき、そして「ありがとう」と云っていただけたとき、看護師という仕事をやっていて良かったと心から感じます。
処置として尿を扱うことも多いのですが、おしっこが出なくて苦しんでおられた患者さんが「あぁ、お蔭でラクになりました」とおっしゃられると、本当にうれしいですね。
患者さんとの絆、やはりそれはコミュニケーションを通じて築かれるのだと思います。
まごころを込めてお話しをして、自分のことを覚えてもらって、あの看護婦さん、という関係ができてくるのではないでしょうか。
去年の10月から約1年間、アシスタントマネージャーとしての職務を担当、患者さんに対する業務をチーム全体で遂行するというマネジメントを経験しました。
看護師として自分個人の業務だけではなく、チームとして果たすべき責任。10年を超える自分のキャリアのなかで、それまで人任せにしてしまっていた部分、自分がわからないままでいた様々なことを、ひとつひとつ知ることができました。
ひとそれぞれが持つ、良いところとそうでないところ。良くない点は誰にでもある。悪い点を責めるのではなく、お互いになるべく気をつけながら、良い点、優れたところを見ていこうというリーダーシップ。
みんなからの要望が多くて、大変だと感じる面もあったのですが、そうした点への取り組みを通じて、ほかの人の気持ちがわかるようになりました。様々なことが自分自身のものになっていくことの充実感、そこに自分自身としての成長が見出すことができた気がしています。
自分が受けたいと感じる援助を提供すること。私自身、常に患者さんの視点から接するということに努めています。診察に際して下着をおろした患者さんにタオルをかけてあげる、そうしたちょっとしたことでも、自分だったらどう感じるだろうかということに置き換えて患者さんに接すること、それが非常に大切なことだと思います。
常盤理事長や川口院長はじめとして非常に信頼できる先生がいること。そして、外来スタッフのみんなで実践している接遇対応のまごころだと思います。
様々なテーマの勉強にチャレンジしたいと考えています。糖尿病についてもさらに深く学びたいと思いますし、手術の現場においても、手術室で先生へのスムーズな器械出しなど、もっともっとスキルをアップさせたい。ケアマネージャーなどの資格にも挑戦したいですね。
勤務のシフトによるのですが、1ヶ月のうち9日から10日間のお休みには、大抵お昼近くまで寝てますね(笑)。起きてからゆっくりと岩盤浴に行ってリラックスしたり、たまに映画を鑑たりとか。最近みたのは「日本沈没」。地元がテーマの「フラガール」はまだ見ることができないでいます。
お酒は大好き、何の肴がなくても晩酌にビールが飲めるんです。ちなみに好きな銘柄は淡麗グリーンラベル、糖質70%オフ(!)です。
結婚して子供を生むこと、ささやかな夢ですね。人生計画としては、10年後に子育てをしている予定です。家庭を真ん中に置いた生活をしていたいとは思いますが、やはり看護師という仕事を抜きにした人生は考えられないですね、きっと。
その子供が将来の進路として医療を目指したいと云えば、母親として、もちろん賛成します。
とにかく「礼儀」ですね。それこそ最初はお箸の持ち方から。ひととして人生における基本的なことを、徹底的に教え込まれました。とても厳しく、そして優しく。
言葉ではないのですが、「幸」という文字。自分自身の名前のとおり、ぜひ幸せになりたい。そう願っています。