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すまいりすとすまいりすと

今月の「輝き!すまいりすと」Vol.41 2010年3月
志賀香(しがかおり)いわき泌尿器科病院 臨床検査技師 〜 広く浅くではなく、「広く深く」が、臨床検査技師としてのテーマです 〜

舞妓さんが歩く街

いわきの高校を卒業後、地元を離れて単身京都に。上京区にある京都保健衛生専門学校に進学しました。もともと臨床検査技師が志望で、大学に4年間通うよりも、専門学校で3年間集中して学び、早く仕事をスタートしたいと考えたのです。

京都にはそれまで一度も行ったことはありませんでした。たまたま親戚のなかにその学校で勉強している人がいたことと、東京などとは違う「京都」という独特な響きに魅かれました。舞妓さんが歩く街、そんなイメージへの憧れがあったのかもしれませんね(笑)。

土鍋が活躍する日々

世界遺産として登録されている二条城のすぐそばにある学校。そこからほど近く、西大路(にしおおじ)で始めたひとり暮らし。

毎朝ご飯を炊いて、お味噌汁を作って…。実家ではほとんど自分でしたことのなかった料理にチャレンジすることに。あまり外食はせずに、ひとり用の小さな土鍋ひとつだけでできあがる料理を工夫するようになりました。

インターネットで色んなレシピを調べたりして…。なかでも鶏の手羽元をお醤油と甘酢で煮込む中華風メニューは、自分的にヒットメニューでした!

関西、粉文化

梅田やなんばにも時々遊びに行きました。アメリカ村の近くのお店で、ポン酢につけて食べるタコ焼きを体験したことがあります。おネギがたくさんで、とても美味しかったですよ。

大阪ではどの家庭にもタコ焼きの鉄板があるんですってね。友達から聞いて、もうびっくり!しかも夕飯にタコ焼きをするときって、ご飯を一緒に食べるのではなく、タコ焼きそのものがメインディッシュなのだとか。

京都の東山にあるお店では、みりん風味のおせんべいにタコ焼きをはさんで、クレープのように手で持って食べるというテイクアウトスタイルで提供しているお店もあったりして…。

お好み焼き、焼きそば、タコ焼き。恐るべし、関西の粉文化ですね。

鴨川の流れを眺めて

京都、本当にすてきな街です。

三条大橋のたもとにあるスターバックス。客席が鴨川に面しているお店で、すぐ目の前の水面を眺めながら、静かに本を読んだり友人と語り合ったりして過ごす、くつろいだ時間がとても好きでした。

郷里を離れて過ごした3年間。京阪神をはじめ、遠く九州や沖縄など、全国各地出身の友人たちと学校生活をともにすることができたことが、私自身にとって大きな経験になりました。地元での生活とは違い、そうしたみんなとの出会いを通じて視野が広がったような気がします。

進路を決めた1枚の写真

臨床検査技師を目指したきっかけですか?

もともと数学、生物や化学が好きだったこと、また姉が看護師として働いているということなどもあって、医療分野で仕事をしたいという漠然とした想いはありました。

中学生の頃だったでしょうか。将来に向けて医療分野の職業についての本を読んでいるとき、そこに載っている1枚の写真が目にとまったのです。白衣を着てフラスコを振っている臨床検査技師の姿。「カッコいい、これだ!」その写真を見た瞬間、自分の目指す将来が決まりました(笑)。

専門学校では、臨床検査技師として必要な知識や技術を習得するための勉強をします。1年生のときには生物や化学、あるいは解剖学について基礎的な事柄を学びます。2年では心電図などをはじめとして、検査にかかわるテーマについての掘り下げと約2ヶ月間の臨床実習。そして3年で、国家試験に向けた総まとめといった内容です。

学校での勉強を通じて得られる基本的な知識はもちろんなのですが、臨床検査技師という仕事は、やはり経験の積み重ねや、個別のケースごとについての判断と対応が大切な要素として求められますね。

ところで…。

実際になってみてわかったのですが、電子化がすすんでいて、検体検査でフラスコを振ったりといった場面ってあまり多くないんですよ、…臨床検査技師の仕事って(笑)。

ミッション

患者さんに何らかの症状が出て当院にお越しになる。その原因について検査をし、結果が明らかになり、適切な診断のもとで質の高い治療をご提供することができる。そして患者さんご本人が良くなられるという喜び。その一連のプロセスにかかわっているという誇りが大きいですね。

私が担当している超音波検査だけでは原因がわからない場合に、CTやMRIといった検査によって明らかになるケースなど、放射線科のドクターからのアドヴァイスや専門技師のみなさんとの連携を通じて、自分自身にとって成長のきっかけが得られることもあります。

様々な検査体系のもと、データや所見などの形を通じて、ドクターに対して的確な判断材料を提供するということ。臨床検査技師の重要なミッションです。

自身の近未来像

現在の専門分野から、さらには心臓や血管のエコーにも興味があります。また超音波検査だけではなく、私自身しばらくブランクとなっている検体検査などを含めて、どういった検査にも幅広く対応することができるようになりたいですね。

広く浅くではなく、「広く深く」が、臨床検査技師としてのテーマです。

後進たちへのエール

臨床検査技師を目指すには、様々なことに対する興味や好奇心が大切。自らの専門領域についてのみではなく、周囲のみなさんとの協調や幅広い視点をぜひ大切にしてください。

実は私、鈍行列車が好きなんです。のんびりゆったり、あたたかなアナログっぽい感じがして♪

いつかローカル線の各駅停車に乗って、ゆっくりと日本全国を旅してみたいですね。

追記編:得意料理

…あ、ひとつ言い忘れてました!

出し巻き卵がとっても得意なんです。卵は4個使うって決めてあって、きちんと鰹節から出汁をとるんです。とっても美味しいですよ。

土鍋料理だけじゃないって紹介してください、ね♪