文字サイズ:

すまいりすとすまいりすと

今月の「輝き!すまいりすと」Vol.44 2010年6月
草野里美(くさのさとみ):いわき泌尿器科病院 臨床工学技士 アシスタントマネージャー 〜 この仕事のやりがいと使命は同じところにある。…そう感じています 〜

瞬時に決まった進路

いわき出身、地元の高校から仙台の専門学校に進学。3年後の卒業と同時に臨床工学技士の資格を取得して、ときわ会に入職。

いわき泌尿器科病院の透析センターと手術室での勤務が主体。5月に常磐病院が開院してからは、そちらにも時々行っています。

もともと医療や福祉に関係した仕事につきたいと考えていたのですが、看護師である母親からアドヴァイスされたのです。「あなたのようなのんびり屋さんには、看護師は向かないわよ」。

「あ、そうなのか」と実に素直に納得(笑)した私。その後まもなく参加した医療分野向けの就職ガイダンスで、臨床工学技士という職業を初めて知ったのです。「医療と工学のクロスオーバーか。それって良いかも!」。

その瞬間、自らの進路が即決することになりました。

臨床工学技士という仕事

臨床工学技士のミッションは、「生命維持管理装置の操作および保守点検」です。透析の機械や人工呼吸器、心臓の手術に際して使用する人工心肺といった装置。体外式ペースメーカーや心臓カテーテル、高気圧酸素療法なども、すべて含まれます。対象となる装置の範囲は実に幅広く、操作のみならず、保守や点検、立ち会いだったりと、業務はかなり多岐に及びます。

機械を対象にした仕事ではあるのですが、「臨床」という意味からは、患者さん向けの役割を担っており、その両面が業務の性格として同居している仕事だと云えますね。特に透析では、穿刺(せんし:針刺し)などを通じて、日常的に患者さんと接しています。その一方で、透析機械が正常に作動するためのチェックやメンテナンスといった業務にも、日々取り組んでいます。

ある一日の仕事風景

まず穿刺業務で慌しい一日がスタート。近年、当院を受診なさる患者さんがかなり増加していますので、私たちの忙しさにも一段と拍車が。

患者さんおひとりおひとりがよくお声をかけてくださるんですよ。たとえば業務スケジュールの関係で常磐病院に出かけていた翌日など、「きのうは姿が見えなかったね。どうしてたの?」といったようにです。

穿刺がひと段落すると、チーム業務の打ち合わせをこなしつつ、透析液の濃度測定や24時間の血圧計装着、パソコンへの管理データ入力など。

ふだんの午前中はそんな感じです。それらの業務と平行しつつ、透析機器の点検やメンテナンスなどをチームで分担して実施。透析という医療機器の性格上、日々の管理が欠かせません。なんらかの調整の必要が見つかって、ここかな?と思ってチェックしてみても、それ以外に原因がある場合など、一回の対処だけでは解決しないケースもしばしばです。

管理している透析機器が100台もあるので、ときにはそうした作業が夜にまで及ぶこともありますね。

臨床工学技士、そのタイプ属性

工学系の出身者と普通科の出身者がほぼ半々ずつ、近年では男女の比率も同じくらいでしょうか。

メカが得意でこの仕事を選んだひとと、(私のように)もともと医療という分野や患者さんとのかかわりを目指して技士になったひと。タイプとしてはその両方がありますね。

医療サービスに携わるひとりとしての人間力と同時に、エンジニアとしてテクニカル面での習熟やスキルが求められる仕事でもあるわけです。

人間力を備えたエンジニア、それが臨床工学技士としてあるべき姿なのかも知れません。

ドクターとの接点

日々の回診についてまわるということがないので、一般的にはドクターと日常のかかわりはあまり多くはありません。ただ当院の場合、院長による特殊血液浄化など特別な治療の実施に際しては、直接指導をいただいたり、専門職としての意見を求めてくださったりもします。

さらには腹腔鏡を使った手術や、HIFU(限局性前立腺癌に対する高密度焦点式超音波治療)による手術などにも、技士として立ち会います。

臨床工学技士としてそうした役割が発揮できるのも、当会における大先輩であるベテラン技士の存在があってのことだと感じています。とても身の引き締まる想いと同時に、さらに勉強を重ねていかなければという意を強くする場面ですね。

この仕事のやりがい

やはり患者さんとのかかわり、ですね。

臨床工学技士になるまでは、それこそドライバー1本も持ったことのなかった私。専門学校では、本当に苦労したんですよ。回路の図面?電子工学?…その頃は、もう全然わからなくて。

私個人の本質はきっと(デジタルではなく)アナログなのだと思っています。

技士としての就職に際して、その方向性は大まかに透析部門か循環器系に区分されるのですが、私が透析を選んだのも、患者さんとの接点が多いという理由からです。

すごいんですよ、患者さんのお気持ちのエネルギーって。私自身、日々のパワーをたくさん頂戴しています。

果たすべき使命

ものすごいスピードで進化する医療技術の環境。患者のみなさまに質の高い医療サービスをご提供し続けることができるよう、臨床工学技士として、日進月歩の技術進展について、たゆまない研鑽が必要不可欠だと考えています。

そしてもうひとつ。患者さんが人間である、というテーマでしょうか。

患者さんの背景にある人生や価値観、暮らしや生き様、お気持ちといった要素。そうしたご本人の内なる面への気配りをしつつ、日々のコミュニケーションを大切にさせていただくということ。

心の距離感のとり方とでもいうのでしょうか。

私にとって、この仕事のやりがいと使命は同じところにある。…そう感じています。

気分のチャージ方法

ビールを飲みます!(1本だけなんですけど)。そして(幼い頃から)よく寝ますね。

それと、ベランダ菜園と料理が大好きです。ハーブ、なかでも大のパクチー好きなので、ネット通販で取り寄せた種をベランダのプランターで育ててます。無添加の自家製ハーブをふんだんに使った、春雨や青パパイヤのサラダ、生春巻き、トムヤンクン。仲間を家に呼んでのタイ料理パーティー!

東京や仙台のアジアン・レストランに行っても、リクエストするんですよ。「(日本人向けのマイルドな味つけではなくて)現地の辛さにしてください」って♪

癒し(?)の旅

気の合う女友達と旅行するのが好きです。最近も、京都に行ってきました。

素敵な癒しを求めたはずの旅だったのですが、欲張ってスケジュールを組みすぎてしまい、それはもう朝から忙しい旅行に。あちこちのスポットをガンガンに廻り続けて、仕上げの最終日には「ハプスブルク展」を観るために、京都国立博物館へ。

…結局、おばんざいや湯豆腐も食べることができずじまいの京都旅行になりました。

できればいつの日か、古代の遺跡を訪ねる旅に出かけてみたいですね、古い神殿や寺院など。エジプトにはぜひ行ってみたいです。

現地のエスニックな料理を満喫しながらの旅行だと、最高ですね♪