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いわき市小名浜の出身、まるで純粋培養のようにこれまでずっと地元での生まれ育ち。姉妹たちは嫁ぎましたが、私は両親と一緒に暮らしています。
昨年の震災で実家は半壊、海岸線から車で10分ほど離れているのですが、地盤が液状化した影響で今も余震があると大きく揺れるんです。怖いので建て替えないといけないねと、両親と話しています。
今春で震災から1年…。かつて経験したことのない激しい地震が発生したのは、当時勤務していたいわき泌尿器科でちょうど手術が終わった直後でした。様々な物品が収納されている棚が倒れて散乱するなど、院内は大変な状態に。市街の道路も大きな被害を受けて、その夜は帰宅するのがひと苦労でした。
職員たちも様々な形で震災の影響を受けましたが、もう今ではみんな本来の明るさを取り戻したように感じます。ほがらかで元気な笑顔、きっとそれは東北人ならではの持ち味なのでしょうね。
高校を卒業後、一般企業のOLとして就職しました。ごくふつうの会社で総務と経理を担当する事務職。カレンダーどおりの週休2日制で土曜日や日曜日に休むことができる、そのことを魅力だと感じての入社でした。
その会社で勤めた7年。でも私、飽きてしまったんです、毎日毎日ずっと同じことの繰り返しが続く単調な仕事に。
転職先を考えるにあたって、特に周囲に医療関係の仕事をしている人間がいたというわけではありません。ただひとこと、母親が口にしてくれたアドヴァイスだけが頼りの決心でした。
「…あなた、看護師になってみたら?」(^ー^)v
それまでまったく何の経験もなかった医療という分野、新たに目指す看護師への道。ときわ会にご縁を得て看護学校に入学。20代後半で着用した学生服、「それって犯罪じゃないの」と友達に冷やかされながらの通学でした(汗)。
いわき市内の学校で2年、そして水戸市で2年、計4年の勉強を経て正看護師の資格試験に合格。30歳のことです。
すでに社会人として7年を過ごしてからの再出発。しかも未知の世界への挑戦について、周囲の知人たちからは「きっと大変だよ」と口を揃えて云われました。
…勢いでしたね(笑)。
もしも当時、もっと深く考えていたらチャレンジできなかったのかな。今振り返ってみると、私自身そんな気がします。
以来、いわき泌尿器科の外来部門を担当。去年7月に看護部副師長に任ぜられて、10月からはグランドオープン直後の常盤病院で勤務しています。
朝8:00前に出勤して、8:15からミーティング、9:00に外来の診察がスタート。当院全体では午前中だけでも約300名近くの外来患者さんがお越しになります。お昼をはさんで14:00から夕方まで午後の診察、その後にカルテ処理などを行ないます。外来業務が終了するのは通常19:00頃、というのがふだんの一日の仕事の流れでしょうか。
それと月に2-3回、管理職員が交代で夜間の救急を受け持っています。
病棟や透析など看護師それぞれの担当があるなかで、私が入職以来ずっと担当している外来部門。日々ご来院になる多くの患者のみなさまに、いかにスムーズな診療をご提供できるかということが、求められている大切なテーマのひとつです。
受付から採血や検査、診察といった一連の流れを円滑に遂行し、患者さんにご負担をおかけすることのないサービス体制のさらなる充実。
外来を担当している、私たちにとっての使命です。
ドクターをはじめとして、技師や事務職といった全員によるチームワークがあってはじめて成立するということが、私たち看護師の仕事の姿だと思います。
当院では、副師長という役職が外来部門にふたり、病棟や透析など各部門ごとにそれぞれ配置されています。
私自身、先輩看護師の方々から多くを学ばせていただきながら、いわばプレイングマネージャーとしての立場から、スタッフのみんなとコミュニケーションを密にはかりつつ、業務の連携を果たすということを心がけています。
看護師のひとりとしては、患者さんから「ありがとう」と云っていただけた時など、本当に心からうれしいと感じます。混雑時に診察をお待たせしてしまい、お叱りを頂戴することもあるのですが、やはり患者さんにお喜びいただける可能性を持った仕事であるということ。
看護師である私自身にとって大きな誇りであると同時に、みなさん全員への感謝の想いに抱まれる点ですね。
医療とはまったく別分野の会社OLから実現することのできた、看護師としての再デビュー。しかも実はもともと勉強が苦手だったんです、私。
ご自身の新たな可能性へのチャレンジを考えておられる、みなさん。
悩みに考えすぎは禁物ですよ、迷ったら「勢い」です♪
看護師としては、これまでずっと歩んできた外来という切り口からの仕事を極めたい。そのための努力を重ね続けていくことができれば、そう願っています。
そしてもうひとつ。ふつうに結婚して、ふつうに子育てをすること。
…それがささやかな夢です。