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第24回東北作業療法学会に参加してきました。

2013年10月08日

 こんにちは! 作業療法士の高野栄吉です。

 9月28・29日、福島県郡山市にて第24回東北作業療法学会が開催し、私は2日目に参加してきました。

 
 シンポジウムでは、岩手県士会代表の大久保訓先生・宮城県士会会長の上遠野純子先生、そして福島県県南相馬市で活動している2つの団体から、ふくしま心のケアセンターの清山真琴先生と浜通り訪問リハビリステーションの山越亮先生より、震災後の活動と今後の課題について報告されていました。

 岩手県・宮城県の県士会の震災支援として、岩手県県士会では生活応援支援センターと共に最初は県士会が中心となり作業等の活動を導入することから始めて、少しずつボランティア主体の活動へと移行していったそうです。宮城県県士会からは他職種と連携し合って今なお支援活動を続けていると報告されていました。今後の課題として、どちらも地域住民の方々や他の施設・病院のセラピストとの連携体制をさらに深めることにより、今後の危機に対しても立ち向かっていけると力強く話されていました。

 ただ、清山先生からは、今の福島県では原発事故によってふるさとから追われ他県や近隣の市町村に避難している状況で、それでも震災を過去のものとして前向きに進もうとしている人と、将来の展望も見いだせずに東電に対して不安と憤りを今なお強く思っている住民との間で大きな意識の格差が存在していると話していました。そんな状況でも山越先生から、これからの福島には震災が起きて2年半被災地域住民の方々との関わりのなかで、震災当初の『支援』から今は共に悩み共に歩む『協働』という関係が大切になってきている、と話されていました。

 作業療法は、人と環境と作業によってその人がその人らしく過ごせる人生を支援することであり、我々作業療法士はこれかも地域住民と協働していかなければならない、と話していたことにとても感動しました。


 また、公開講座ではデイサービスけやき通り古賀 所長の葉山靖明先生から「だから、作業療法が大好きです!」という題目で作業療法士のすばらしさを話されていました。葉山先生は御自身も7年前に脳内出血を発症し、入院した病院で受けた作業療法に感銘を受け、退院後自身でデイサービスを立ち上げ町の高齢者・障害者に作業療法を届けています。葉山先生のデイサービスでは意味のある作業にあふれています。元教師の利用者様が、左手で書いたとは思えないような綺麗な写経を通じて、卒業生たちに再度教育をする役割を担っていたり、デイサービスの荒れ果てた畑を見て嘆いた元JA役員さんと共に、立派な野菜畑を作りあげたりしています。そこで他の利用者に隠れてこっそり作ったメロンを葉山さんにあげる利用者さんのいたずらっぽい笑顔をみて葉山先生自身も生きる喜びを感じると話していました。

 そんな葉山先生が

「作業療法士が見るのは身体機能ですか?障害ですか?いいえ、その方の人生を見るのです」

と話していました。


 今回の学会に参加して、あらためて作業療法は奥が深いこと、そして各地で作業療法士ががんばっていることを再確認しました。また、自分が関わっている全ての利用者様に対して、我々の関わりによっては、再び生きる喜びを感じ再び人生が蘇る可能性がある!そんな可能性を追求するエネルギーをいただいた学会でした。

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