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2017年05月10日
こんにちは。認知症ケア専門士の保阪靖彦です。
今回は、認知症ケアの方法として妄想についてお伝えしたいと思います。
お年寄りをめぐる人間関係が、閉鎖的かつ一方的な時に、
被害妄想や嫉妬妄想が出ると言われています。
妄想の中で代表的な「物盗られ妄想」の多くは、
自立して頑張ってきた方が多く、
介護をされていることに後ろめたさを感じて
「本当は自分が被害者だ」と周囲や自分に思い込ませないと
精神のバランスが取れないほど、
本人は追い詰められていると考えられています。
そこで、その方の人間関係や性格に着目して関係性を補います。
例えば、その方から「何か教えてもらう」ことで対等な関係を構築したり、
「自分もお世話している」という関係性ができると心理的な負担が軽減され、
次第に妄想が消えることがあります。
また、本人が「盗まれた」という訴えに対しては、
否定せずに受け入れ一緒に探す姿勢を見せることが大切です。
ここでも前回の徘徊と同様に共感し認めることで
信頼関係を築くことができ、より良いケアに結びつく事が出来ると考えられます。
認知症ケア専門士 保阪靖彦