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2013年12月10日
みなさん,こんにちは!
副施設長の木田です.
先日福島県で開催された,第17回作業科学セミナーで講演をさせていただきました.
講演のタイトルは,
震災から現在,そして未来へ –作業的存在としての姿を取り戻すための支援− です.
過酷な避難生活から現在に至る中で,今までの取り組みから感じたこと,そして未来へ向けてどのような支援が必要かを,作業の視点からお話しさせていただきました.
作業とは,身辺処理や仕事・余暇活動など,人が日常生活の中で行っている全ての活動を称しています.
震災や原発事故で,人々は当たり前に行ってきた作業や住み慣れた環境を突然奪われました.
慣れ親しんだ作業や環境を奪われることで,人は健康を保てなくなります.
その方らしい生活を送れなくなってしまうんですね.
だから私達は,仮設介護老人保健施設を立ち上げました.
安心して過ごすことができる,そして,大切な作業に取り組むことができる環境を整備し,利用者様にその方らしさを取り戻していただくために.
少しずつではありますが,大切な作業に従事することで,生活に満足感を示す方が増えてきています.
しかしその一方で,震災や原発事故の影響で,被災地の未来は不透明な状況にあり,被災された方々の多くが,将来に不安を抱えながら生活している現状もあるのです.
このような現状だからこそ,今の私達にできることは,被災された方々と未来に向かって『共に歩む』ことだと述べさせていただきました.
震災や原発事故で辛い思いをされている方々と共に歩み,どのような状況にあっても,その方らしさを取り戻すことに焦点を当てた支援が必要であると考えます.
楢葉ときわ苑では,どのようにすればより良い人生を送れるのか,利用者様やご家族と意見を交換させていただきながら,未来に向かって『共に歩む』支援を力強く続けてまいります.