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2014年02月12日
こんにちは、作業療法士の遠藤です。
昨年末にリハビリテーション部は、AさんとBさんからある相談を受けました。
「正月に餅を食べたいんだけど」
「施設では、喉に詰まらせるようなもの出さないよね・・・どうしたら食べられる?」
誤嚥に注意できる一部の利用者様のみで餅を食べることはできない、
普段は誤嚥の危険が少ない方でも、餅となれば誤嚥の危険は高まるのではないか、
施設で餅を提供すること、食べることはできません。
なぜ、餅を食べたいのか?
他の正月料理ではダメなのか?
「家にいた頃は餅をついて、子供たちの家にも渡したんだ」
「正月は子供たちが家に来てくれるから、みんなで餅を食べた」
「みんなで、家にいた頃のような正月を迎えたい」
餅を食べることの意味は
ただ単に正月だからというものではなく、
家族と過ごした正月と同じように施設のみんなと過ごしたい、
震災前の当たり前に行っていた日常に近い生活を取り戻したい、
そんな想いが込められているようでした。
二人は「餅を食べるため」にどうするかを考えました。
考えがでる度にセラピストに話を持ちかけます。
インターネットから、ジャガイモで作る餅をみつけました。
ジャガイモの餅?ジャガイモの味しかしないんじゃ・・・餅のような味がするのか?
食べてみたい!!いつ作る?どこで作る?
二人の「餅を食べるため」の行動は続きます。
料理倶楽部の話し合いの場で、ジャガイモ餅は提案されました。
参加する他の利用者様からの賛成も得られ、ジャガイモ餅は作ることが決定です。
そして、今日、料理倶楽部は実施されました。
完成したジャガイモ餅は、
ジャガイモの味はそれほど感じず、想像していた以上に餅に近い食感でした!!
「以外にモチモチするね~おいしい」
利用者様の想いをかなえるために・・・
限られた環境の中でどのような形で実現できるのか、
その形で達成感や満足感は得られるのか、
何が必要か、手順は、誰がどうするのか・・・
お互いに話し合いながら実現に向けていく
その過程が大切だと感じます。
利用者様の想いを一緒に実現できる、
そんな支援を続けていきたいを思います。