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意味のある作業につなげる支援を目指して

2014年05月22日

作業療法士の遠藤です。

度々、ブログで紹介されている中庭に、
トマト、ナス、小松菜を植えたプランターが登場しました!

当苑に入所されているAさんと育てています。
天気の良い日は職員と一緒に水やりをしながら、
野菜の育ち具合を見たり、野菜作りについて話すことがAさんの日課になっています。


野菜作りを始める前のAさんは、
特に楽しめる作業がない、淡々とした日々を送っていました。

「何か楽しめることをしたい」「こんな身体でできることがあれば」
と話していたため、Aさんの興味に基づいた作業を提案していましたが、
「半身不随の身体では何もできない」「車椅子だし」
と作業を行うことを拒み続けていました。


そんなAさんがなぜ、野菜作りという作業を得たのでしょう?


もともと農家で、米や野菜・花を作っていたAさん。
だから、野菜作りはすんなり導入できた・・・訳ではありません!!
最初は提案しても断られていました。


介護職員が、自宅で育てたり、周辺に咲いている草花を摘んで、
ホールのテーブルに置いてくれたことで、
何もせず座っているだけだったホールが花を楽しむ場所に・・・

玄関に置くプランターにみんなで花植えを・・・

暖かい日は、中庭や屋外に散歩へ・・・
中庭の畑のさやえんどうを収穫し、塩茹でにして試食・・・
野菜作りに詳しい職員との農業トーク・・・

などなど、Aさんに関わる職員が
施設での生活を楽しんで送って頂けるよう、
Aさんの興味ある活動であった農業と園芸に結びつく関わりを行いました。

どれも、何気ない小さな関わりのように思えましたが、Aさんは、
「花のある生活は楽しい」「野菜の成長を見るのは楽しい」
と語り、自身が作業を行うことを前向きに考えるようになりました。
そして、車椅子でもできる、プランターでの野菜作りが始まりました。


ちょっとした働きかけ、ちょっとした作業の実施
一つ一つは小さなものですが、それらがいくつも積み重なれば、
意味のある大きな作業の獲得につながるものだと感じました。


利用者様の思いに沿っていれば、
どんな小さな出来事や関わりでも決して無駄にはならず、
その人らしい生活を送るための支援につながるのだと思います。

ちなみに、Aさんの農業トークのお相手には施設長も入っています(^o^)♪

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介護老人保健施設 仮設楢葉ときわ苑

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