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2014年07月24日
こんにちは。作業療法士の川又寛徳です。
今回は「ヘルスリテラシー」について紹介したいと思います。
耳慣れない言葉かもしれませんが、
「ヘルスリテラシー」とは、
健康(ヘルス)に関する情報を獲得、理解、評価、活用するための
知識や能力(リテラシー)のことです。
簡単には「上手に医療や健康サービスを受ける力」と言い換えることができるかもしれません。
健康に関する情報は一昔前に比べると遥かに膨大となりました。
医療や健康に関連するサービスを受ける側は、
その膨大で玉石混淆といえる情報の渦の中から自分にあったものを選択し、
決断する必要に迫られています。
併せて、細分化が進んだ医療や健康の専門家と対等に治療や健康の方針を決定するのは
至難の業と言えます。
そこで「ヘルスリテラシー」が必要になるというわけです。
「ヘルスリテラシー」については、聖路加国際大学の中山和弘教授のサイトに詳しく載っているので、
そちらをご覧ください。面白く勉強することができるのでおススメです。
健康を決める力 http://www.healthliteracy.jp/
手前味噌ではありますが、
作業療法サービスを受ける利用者が、
自分自身の作業(したい、する必要がある、することを期待されている活動)について知ること、
その力を持つことが、より良い協業関係を形成し、生活の質を高めることにつながるのではないか?
という仮説のもと、研究を行っていました。
具体的には、健康な高齢者が、自分がどのようなことに惹かれ、
健康を維持するもしくは悪化させる習慣を持ち、
どのような物理的・社会的な環境に支えられているのか等を振り返りながら、
それらを健康に結びつける知識と技術(作業リテラシー)を学ぶ
健康プログラムの効果についての研究です。
詳細はこちらをご覧ください。
健康高齢者に対する予防的・健康増進作業療法プログラムの効果 : ランダム化比較試験 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jph/59/2/59_73/_pdf
この研究の対象者は全国各地の地域に在住する健康な高齢者でしたが、
要介護状態で施設に入所している高齢者であってもよりよい生活を送るために
「ヘルスリテラシー」は重要なのではないか?と考えながら日々の業務に取り組んでおります。
この考えについて、8月30日、31日に福岡市で開催される
第24回日本作業行動学会学術集会のシンポジウム
「作業行動とエビデンス」でお話させて頂く予定ですので、
ご興味のある方はぜひお越しください。
第24回日本作業行動学会学術集会 http://jobc.kenkyuukai.jp/special/?id=9380