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作業をより楽しむための工夫

2014年11月21日

こんにちは、作業療法士の遠藤です。

利用者様が集まるホールに、少し(?)早いクリスマスツリーが登場しました!!
Aさんが飾ってくれたものです。

Aさんは男性ですが、余暇時間の大半をリハビリ室で毛糸やフェルトを使ったマスコットを作ることに夢中になって過ごしており、
作品を居室に飾ったり、気分によって飾るものや配置を変えることも楽しんでいます。

ある時、
「作ることは楽しいから続けたい」
「何かを作っているから不満はないけど、100%満足もしていない」
と、手工芸が楽しみだけど、満足できていないという話をされました。
何が不満かは本人にもはっきりとは分からない様子でしたが、
「もっと選べるといいな」
と話していました。

マスコット作りはAさんの興味と能力に合った作業として担当セラピストが提案し、
施設にあるものを中心に、限られた材料で作れる物を一緒に考えて作っていました。
今までのマスコット作りを振り返るとAさんに「選択」する機会は殆どなかったのかもしれません。
Aさんは何を選びたかったのか?

新たに何か作ってみようということになり、Aさんと何を作るかを話し合いました。
苑内に飾るクリスマスツリーを作ることに決まり、
「何を飾ろうかな」「どんなの飾ったらいいのかな」と飾るものをどうするか楽しみにされるAさん…
そこで『ツリーに飾る材料を選んでもらう』機会を持つことを考えました。

某100円ショップに出掛け、実際の商品を見ながら
ツリーの大きさはどうするのか?色は?飾りは何をどのくらい?などなど
たくさんの商品を比較しながら選びました。
ついでにマスコット作りに使う毛糸も選んで購入していました。

買い物から帰り、早速ツリーの飾りつけを行いました。
「楽しかった」「みんな見てくれっか?」
声をかける職員や他利用者様に笑顔で答えていました。
今は一緒に買った毛糸を使ったマスコットもツリーに飾るために作成中です。

限られた環境の中で行う作業に「選択」の機会を多く持つことは困難かもしれません。
しかし、一つの作業を遂行する中には様々な「選択」の機会があります。
作業の中で、楽しみや満足感を高める「選択」は何かを見極め、作業の中に取り入れることが大切ではないでしょうか。
Aさんにとっては『材料を選ぶこと』が作業をより楽しむための大切な「選択」の機会だったのではないかと思います。

選択については当苑のブログの中で作業療法士の川又が詳しく説明していますので、ぜひそちらも読んでみてください☆

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