文字サイズ:

スタッフブログスタッフブログ

認知症の方と向き合う

2015年03月08日

こんにちは。副施設長の木田です。

当施設が所属するときわ会グループでは、「ときわ路」という広報誌を定期的に発行し、皆様のお役に立つような健康に関する情報をお届けしています。

今回は、先日ときわ路に掲載された、私が執筆したコラムをご紹介したいと思います。



『認知症とユマニチュード』

皆様は「ユマニチュード」をご存知でしょうか。最近メディアで取り上げられる機会も増えてきました。ユマニチュードとは、フランスで生まれた認知症ケアの技法のことです。①見つめる ②話しかける ③触れる ④立つなどの4つの基本要素と150の手法で構成されています。

相手と同じ目の高さで接して、お互いの存在を確認し合い、対等な関係であることを感じてもらう。優しさを込めて、前向きな言葉を用いて話しかける。指先だけではなく、手のひら全体でゆっくり優しく相手に触れる。人間としての尊厳を守るために、その方の状態に応じて立つ時間を設ける。

ユマニチュードは決して特殊な技法ではありません。病人としてではなく、ひとりの人間として接することで認知症の方との間に信頼関係を育み、介護する側・される側の絆を築くことができます。

私も臨床場面でユマニチュードの技法を取り入れながら、認知症の症状に焦点を当てるのではなく、認知症を呈したひとりの人として接することを心掛けています。そうすることで、不穏だった方が穏やかな表情を取り戻すことを日々体験しています。

超高齢化社会を迎える日本において、医療・福祉従事者ではなくても、認知症の方と接する機会は増えていくはずです。人は誰かに見つめられ、誰かと触れ合い、言葉を交わすことで存在します。これらを当たり前と認識する人が増えれば、認知症の方はもちろん、全ての人に優しい社会を構築できるかもしれません。



いかがでしたか?


認知症は日本だけではなく、国際的にも重大な問題として認識されています。我が国でも認知症施作推進総合戦略(新オレンジプラン)が新たに策定されました。


認知症は程度の差はあれ、高齢になれば誰もが罹る可能性がある疾患です。


だからこそ、当施設では目を背けることなく向き合っていきたいと思います。


たとえ認知症になったとしても、その方らしい人生を送ることができるような支援をしていきたい。


そのような支援が当たり前にできる施設でありたい。


心からそう思っています。

≪次の記事へ一覧へ戻る前の記事へ≫

介護老人保健施設 仮設楢葉ときわ苑

介護老人保健施設 仮設楢葉ときわ苑

福島県いわき市内郷

☎0246-27-1117

看護師サイト

二人のソプラノSempre ff 土井由美子と常盤梢