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2015年04月23日
こんにちは。作業療法士の川又寛徳です。
桜も散り、あっという間にゴールデンウィーク目前ですね。お出かけ先はもうお決まりですか?
外出機会とともに、普段とは違ったお化粧の機会も増えるのではないでしょうか。
その「化粧」にまつわる興味深い記事が日経デジタルヘルスにありましたのでご紹介します。
「高齢者向け化粧サービス 介護費用削減に効果あり」
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20150326/411182/
記事によると、
資生堂が介護施設入居高齢者などを対象に「化粧サービス」(化粧療法プログラム)を行った結果、
健康度自己評価や抑うつ傾向に改善効果が確認されたとのことです。
化粧療法プログラムの詳細については下記URLをご参照ください。
https://www.shiseido.co.jp/lifequality/effect/index.html
高齢者の化粧の効果についての研究は、資生堂だけではなく、競合他社でも行われています。
かつての同僚である、首都大学東京の石橋裕助教らは、
カネボウ化粧品と「“化粧”を基盤とした作業療法プログラム」の共同研究を行っています。
http://www.kanebo-cosmetics.co.jp/company/pdf/20120529-01.pdf
このプログラムは、作業療法の実践モデルである人間作業モデルの枠組みを用いながら
「買い物に行きたい」「授業参観に行きたい」といった
化粧と関連がある日常生活上の課題を明らかにして、
その課題、目標を叶える手段として「化粧」に取り組むのがポイントだそうです。
成果の一部は学会で発表(※)されていますが、
まだ論文化されていないとのことなので、今後の成果を期待したいと思います。
詳細が知りたい方は石橋先生までお問い合わせください。
化粧には、単発の楽しみや特別な日の装いとしての側面だけでなく、
習慣的に行われる日課、身だしなみとしての側面も重要です。
当施設では、写真のように、日課、身だしなみとしての「化粧」の支援が行われています。
化粧をした後の笑顔はとても素敵です。
そういえば、当施設ではかつてこんな取り組み↓もありました。
http://www.tokiwa.or.jp/system/blog_naraha.php?cd=20130514000059
今年もあるかもしれません。
これまで三十数年生きてきて、化粧の経験はありませんが、
あちらの世界に目覚めない程度に勉強しようかしら・・・
※Yu Ishibashi. et.al: The effectiveness of an occupational therapy program for health promotion using cosmetics among dwelling elderlies: A pilot study. World Psychiatric Association Congress, Vienna, Austria, 2013