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その人らしい活動を考えてみませんか?

2015年06月16日

こんにちは、作業療法士の遠藤です。

今年も中庭でたくさんの野菜が育てられています。

昨年、ブログで紹介したプランター菜園は、今年もAさんと一緒に行っています。

Aさんは昨年の野菜作りを振り返って、
「プランターの方が車椅子でも行える」
「獲れる量がちょうどいい」
と、プランターでの野菜作りを今年も行うことに意欲を示しました。

「プランターだからね、丈があまり伸びない野菜がいいね。」
「ご飯にするわけじゃないからね…簡単に料理できるか、そのまま食べれるものがいいよ。」
「ナス、トマト…あとは菜っ葉あたりがいいかな。」などなど…
計画の段階から様々な意見が出されました。
苗を植えるときには、Aさんが積極的に作業を行い、職員は指示通りに動くのみ…

昨年は『野菜作りにAさんが参加する』という形で、
受け身的な部分が多いAさんでしたが、
今年はAさん自ら積極的に行う部分が増え、
『Aさんが野菜作りを行う』という形に変化しています。

Aさんは昔、農家であったため、野菜作りは収入を得るための仕事であり、また、収穫した野菜を使って家族のご飯を作り、さらには親戚やご近所にも分けていたそうです。
しかし今は、「野菜の成長をみるのが楽しみ。収穫した物を少し食べることができれば、より楽しい。」との思いを語られていました。
昔は『仕事』として行っていた野菜作りですが、
施設に入所されている現在は『野菜の成長や収穫を楽しむもの』になっているようです。

同じ活動であっても、目的は人それぞれ異なります。
その目的を明確にして、利用者様と共有できることが、活動への積極的な参加を後押しするのかもしれません。

また、年齢や健康状態、環境など様々な影響を受け、活動の目的は変化します。
活動の形態を利用者様の思いや状態に合わせて支援することで活動は継続できるのではないでしょうか。

苗を植えて、約一ヶ月が経ちました。
Aさんは、毎日、野菜の成長を確認しながら、収穫を楽しみにされています。

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介護老人保健施設 仮設楢葉ときわ苑

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