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『おもゐで喫茶』へようこそ!

2015年11月06日

こんにちは。作業療法士の川又です。

「燈火稍く親しむ可く」
(意訳:秋の夜は灯火の下で読書をするのにふさわしい)

これは唐の詩人韓愈の詩の一節で、
『読書の秋』はこの一節に由来するそうです。
秋の夜長、皆様はどのような本をお読みでしょうか?

今回は、私が最近読んだ本
『介護民俗学へようこそ!』(新潮社)
を紹介致します。
作者の六車由実さんは、
大学教員から介護業界に転じた経歴をお持ちの方です。
六車さんは、自らの専門である民俗学で培った“聞き書き”の手法を介護に取り入れた
ユニークな取り組みをされていて、
本書は、現在の仕事場「すまいるほーむ」における“聞き書き”をまとめたものです。

さて、“聞き書き”とは、その名の通り“聞いて、書いて表現する”ことですが、
それを介護に取り入れることがなぜユニークなのでしょうか?
六車さんは朝日新聞のインタビューで次のように述べています。

「介護はケアをする側、される側という関係にあります。
する側のほうが優位に立っている。
ところが聞き書きを持ち込むと、
聞く側、話す側という新しい関係が生まれます。
関係は時に対等になり、逆転もする。
人と人との信頼関係が築かれていく実感があるのです。
それが結果的にケアもよくしていく。そこに意味があると思っています」
http://apital.asahi.com/article/story/2014072400011.htmlより引用

話題を変えて、舞台は楢葉ときわ苑。
当施設では今年10月より
「お茶を飲みながら楽しくおしゃべりしましょう!」
というコンセプトのもと
『おもゐで喫茶』
を開店?しました。

その名の通り、昔懐かしい、思い出に残る写真を見たり、音楽を聴きながら、
自分が好きな飲み物を飲んで
おしゃべりを楽しむことができるような時間にしようと取り組んでいます。
まだ開店したばかりですが、
今のところ満足いただいている様子です。

六車さんも述べていますが、
利用者様の人生物語や生活の知恵に耳を傾けることは、
<ケアする→ケアされる>という
一方的な関係を脱却する良い機会になると私も考えています。

『おもゐで喫茶』では、
ゆったりとした時間の中で利用者様の “おもゐで”に耳を傾け、
どのような人生・生活を送ってきたのか理解を深め、
共有するプロセスを通して
利用者様とよりよい信頼関係を築いて参りたいと思います。

※『おもゐで喫茶』は当施設に入所されている利用者様向けのレクリエーションであり、
現実店舗ではございませんのでご了承ください。

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介護老人保健施設 仮設楢葉ときわ苑

介護老人保健施設 仮設楢葉ときわ苑

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☎0246-27-1117

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