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2015年12月09日
こんにちは、リハビリテーション部の遠藤です。
みなさんは、『生活行為向上マネジメント』をご存じでしょうか?
『生活行為向上マネジメント』とは、対象者にとって本当に大切で重要な「やりたい」と思う作業に焦点を当て、その作業を実現するためのマネジメントツールとして、日本作業療法士協会により開発されたものです。
作業とは、食事や更衣、排泄などの日常生活動作(ADL)のみではなく、仕事や家事、趣味、地域活動など、その人が24時間365日の生活の中で行っているすべての生活行為を意味します。
生活の中で、何が重要な作業であるかは人それぞれ異なります。
その人が重要だと思う作業が行えること…「その人らしい生活」を支援することが、
生活行為向上マネジメントです。
しかし、ただ単に、やりたい、大事だと思う作業を行えば良いというわけではありません。
私たちが行う作業には目的が伴います。
同じ作業であっても、目的は人それぞれ異なるものです。
何のためにその作業を行うのか、という目的を明確にし、
どのようにして実現していくのかを利用者様と一緒に考え、
実現に向けて一緒に歩んでいく。
その過程が、活動と参加に焦点を当てた介入を実践する上で大切なのだと思います。
ある利用者様は、家族と一緒に外出し、昔から馴染みの店で食事をすることを楽しみにしています。
家族との外出を継続するためには、車の乗り降りと外出先でのトイレの使用を家族への負担少なく行う必要があると考え、移乗動作と排泄動作が少しでも楽に行えるようになることを希望されました。
『家族と外出したい』…その思いを、ご家族を含め、その人に関わる全ての職員で共有し、実現に向けた支援を行っています。
なぜ、利用者様がその作業を「やりたい」「大切」と思うのか、
利用者様の思いを汲み取りながら、作業の実現に向けて、利用者様と一緒に歩むことを意識した支援を続けていきたいと思います。