この病気は、腎臓にのう胞(液体の詰まった袋)がたくさんでき、そののう胞が大きくなる遺伝性の病気です。腎臓にのう胞が増えて大きくなってくると、腎臓は大きくなり、機能が低下します。この病気に罹患されている方は、70歳までに約半数の方が「人工透析」が必要になるといわれています。
常染色体優性多発性のう胞腎(ADPKD)には様々な合併症の恐れがあります。
平成26年3月26日より、常染色体優性遺伝型多発性嚢胞腎(ADPKD)に対して、経口薬剤であるトルバプタンが処方できるようになりました。この薬剤は、腎臓での「バソプレシン」のはたらきをさまたげ、のう胞が増大する速度を抑える効果のあるくすりです。このくすりを継続して服用することで、腎臓のはたらきが低下して腎不全(人工透析)になる時期を延ばすことが期待できます。
当院ではADPKDの治療に対し積極的に取り組んでおりますので、お気軽にご相談下さい。
ADPKDの患者さんは、日本では31,000人いるといわれており、遺伝性の疾患の中でも発症率は高く、約4,000人に1人が患っていると推定されています。平成27年4月1日現在、いわき市の人口は324,370人であり、推定約80人が患っていると推定されます。
日本透析医学会統計資料より引用