ウロギネとは英語でUrogynecologyと書き、ウロ(Urology泌尿器科)、ギネ(Gynecology 婦人科)の合わさった造語で、泌尿器科と婦人科の境界領域にある病気を治療する診療科です。すなわちウロギネの病気の窓口となるのがウロギネ外来となります。ウロギネには頻尿、尿もれなど排尿のトラブルも含まれてはいます。しかしながらウロギネというとなんとなく子宮脱や膀胱脱などの骨盤臓器脱の治療をするところ?というイメージする方もおります。それで患者さんにとってよりわかりやすい名前のほうが良いとの考えから、女性排尿機能という言葉を添えて「ウロギネ・女性排尿機能外来」と命名しました。
泌尿器科と婦人科の中間に位置する病気とは具体的には、子宮脱、膀胱脱、直腸瘤などの骨盤臓器脱および尿失禁、頻尿、夜間頻尿などの排尿のトラブル、便失禁や直腸脱などの排便のトラブル、さらに下腹部痛、膣の違和感などもウロギネの分野に含まれます。
このようにウロギネとはおもに「女性のシモの悩み」を診療するところといえます。以前は何となく女性のシモの悩みは産婦人科に受診されていました。ところが、産婦人科では「う〜〜ん、うちではないなあ・・・」とか「泌尿器科にいってみたら・・・」などといわれることも少なくありませんでした。そして泌尿器科を受診しても「これは、婦人科じゃないの・・」などといわれ、どちらの診療科にいくのかわからないという声が多く聞かれました。
そうです、まさに女性のシモの悩みの多くは婦人科と泌尿器科の両方の知識と技術をもったウロギネ外来へ受診すべきなのです。欧米では古くからウロギネの診療部門が設立しており、このような悩みはあまりありませんでした。日本では本格的なウロギネの診療部門がほとんどなく、シモの悩みをかかえる女性が、どこを受診するのかわからないという問題がしばしば聞かれました。だから今こそ、女性のシモの悩みの救世主、ウロギネ外来を是非受診してみてください。今までの悩みが一気に晴れると思います。
尿もれや骨盤臓器脱は非常に多くの受診経験のない潜在患者が存在しています。我々の調査でも20歳から60歳までの40,000人以上のインターネットによる調査で、約半数が尿もれを経験していると返答しています。またスウェーデンの疫学調査では出産した女性の44%に骨盤臓器脱を認めること、さらに米国のデータでは女性の9人に1人(約11%)が80歳までに尿もれまたは骨盤臓器脱で治療が必要になることが示されております。しかしながら尿もれや骨盤臓器脱は、現在のところ診療に関する情報が不足しています。
実際これらの病気で悩む患者さんも現在どのような状態なのか?セルフケアが可能な状態なのか?また病院に受診すべきなのか?受診するならどこの医療機関に行くべきか?治療するとしたら、どのような治療が最適か?など様々な悩みを抱えています。実際に受診しようと思っても、やはりどこへ行ったら良いのかわからないとか、受診するのは恥ずかしいとか、歳だから仕方ないとかで受診をためらっている方が非常に多くおられます。
専門医として最も伝えたいことは、尿もれや骨盤臓器脱は適切な対処を行えば、治癒することが可能であったり、完全に治らないとしても生活に困らないレベルにすることが可能な病気であるということです。
福島のみならず東北地方には骨盤臓器脱や女性の排尿障害の専門治療を行なっている病院はほとんどありませんでした。それで多くの方は治療を諦めて快適でない生活を送っています。以前、我々が行った調査においても、受診まで1年以上要した患者が67%、3年以上を要した患者が31%いました。そして、受診されなかった理由として、「どこの医療期間を受診してよいか分からなかった。」が最も多く、40%以上を占めました。これらの調査結果からもわかるように、骨盤臓器脱や女性の排尿トラブルで悩む患者さんに貢献する最もよい方法は、受診しやすい、専門治療部門を開設することだと考えました。そこで今回福島県いわき市を中心に広く泌尿器科診療を展開しているときわ会の協力を経て、福島県初のウロギネ・女性排尿機能の専門外来を磐城中央病院に開設する運びとなりました。
この部門の責任者である野村医師は千葉県の亀田メディカルセンター・ウロギネセンターのセンター長も兼務しており、千葉といわきというウロギネ分野の二刀流ということになります。亀田のウロギネセンターは2007年5月に日本でも最も早くウロギネセンターを開設し、今では日本で最も多くのウロギネの治療を行なっている、ウロギネ分野では日本でNo.1の病院です。
今回の磐城中央病院でのウロギネ・女性排尿機能外来および治療部門の開設はまさに「日本最高水準のウロギネ診療をいわきで!」ということになると思います。ウロギネでの治療は全て保険適応内の治療ですので、患者さんも安心して治療が受けられます。いわきのみならず東北地方でウロギネの病気で悩める女性の力になれればと思います。
亀田総合病院および磐城中央病院でのウロギネの治療の特徴の第1は『世界的に認められたものをハイクオリティで!』ということになります。骨盤臓器脱の手術、尿失禁の手術、頻尿や下腹部痛の手術は常に進化しつづけています。時に新たな治療がでてきても、広まることもなく消えてしまうこともあります。そういう意味では最先端のものがいつも優れているということではありません。やはり優れたものというのは医学的根拠に基づいていないといけません。ですので、我々のスタンスはウロギネの専門家にとって医学的にも認められた世界標準の治療を、我々の技術で極限まで高めて提供するということです。
ご存知のように日本という国はテクノロジーの国です。車や電化製品などテクノロジーでは世界をリードしている国です。医療においても日本はテクノロジーを駆使して医療レベルを高めるのに長けているといえます。我々の役割は日本が誇る高いテクノロジーを生かして、高いレベルの安全、安心、そして効果を提供することだと考えます。ウロギネの治療および手術は全て保険適応内なので患者さんも安心して治療が受けられます。
第2の特徴は『日本一の症例数』ということだと思います。骨盤臓器脱手術、腹腔鏡による骨盤臓器脱手術、尿失禁手術、頻尿に対する手術などウロギネのほとんどの分野で我々のグループは日本一の症例数を誇ります。たかが症例数では・・・といわれる方もいます。しかしながら数はやっぱり力です。数を多くやっているということは多くの経験があるということです。手術はどの人も同じではありません。患者さんによって微妙に異なります。また予測出来ないケースや、通常とは違うケースに出くわすこともあります。そのようなときに、ものをいうのは何と言っても「経験」です。我々はその経験を蓄積できるようにいつも努力しています。だからこそこの分野のトップランナーを走り続けることができるのだと自負しております。
そして第3の特徴は『個々の患者さんにあった最適な治療を!』ということになります。骨盤臓器脱の治療、尿失禁の治療、頻尿の治療などはお薬による治療、矯正下着による治療、リハビリによる治療、そして手術による治療など多岐にわたっています。手術に関しても、メッシュを使用するもの、しないもの、子宮を温存するもの、摘出するもの、腹腔鏡で行うもの、膣から行うものなどさまざまな方法があります。
我々は、『個々の患者さんにあった最適な治療を!』というポリシーから出来るだけ多くの選択肢の中からベストな選択肢を提供出来るように常々努力しております。困っている症状を明確にして、ともにベストの治療を選択し、快適な生活を取り戻しましょう。
さらに詳しく知りたい場合には、野村医師個人のホームページをご参照ください。
予約される方は電話にて「ウロギネ外来の予約」とお申し付けください。
TEL:0246-53-3511(※診療は予約制です。事前にお電話ください)。
診療スケジュール(2021年3月~5月)
皆さん、こんにちは。骨盤臓器脱(子宮脱、膀胱脱、直腸脱)や尿失禁などを診るウロギネ分野の専門医師である野村です。現在、千葉県鴨川市で、日本でも有数の専門施設である亀田メディカルセンターのウロギネセンターで、治療を行っております。この度福島県いわき市でウロギネ診療ができることを心からうれしく思います。わたしは泌尿器科と婦人科の両科でトレーニングを受け、両方の分野に対応可能な日本でも非常に少ない医師です。この両科の経験は、骨盤臓器脱(子宮脱、膀胱脱、直腸脱)や尿失禁のハイレベル治療に貢献すると自負しております。亀田で行なっている日本最高レベルのウロギネ診療がいわきでも可能です。 是非、骨盤臓器脱( 子宮脱、膀胱脱、直腸脱)、尿もれや慢性的な頻尿など『女性のシモのこと』でお悩みのかたは、お気軽にご相談ください。
1993年 | 産業医科大学卒業 |
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1994年 | 福島労災病院 |
1997年 | 産業医科大学 大学院医学研究科入学 |
2000年 | 医学博士取得 |
2000年 | 米国ロックフェラー大学留学 |
2003年 | 産業医科大学 助手 |
2006年 | 産業医科大学 助教 |
2008年 | 九州労災病院 副部長 |
2009年 | 亀田メディカルセンター、産婦人科部長代理、ウロギネ副センター長 |
2010年 | 亀田メディカルセンター、ウロギネセンター長 |
2018年 | 亀田メディカルセンター、ウロギネ・女性排尿機能センター長 |
2021年 | 磐城中央病院ウロギネ女性排尿機能分野責任者を兼任 |
日本有数の症例数のウロギネ診療のスペシャリスト 亀田メディカルセンター・ウロギネ女性排尿機能センター、センター長 |
女性のウロギネ分野の専門医です。お気軽にご相談ください。
2004年 | 帝京大学医学部 卒業 |
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2004年 | 帝京大学附属板橋病院 初期臨床研修 |
2006年 | 帝京大学 泌尿器科 |
2015年 | 亀田メディカルセンター、ウロギネ科医師として着任 |
2016年 | 亀田メディカルセンターウロギネ科医長 |