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新年明けましておめでとうございます。
皆様には、当苑の介護予防コラムをご愛読いただきましてありがとうございます。本年もリハビリ部一同、様々なことに着目してお話させていただきますので、どうぞよろしくお願いします。
新年最初のコラムは、私、理学療法士の佐川順子が担当させていただきます。寒さが厳しいこの季節、私が冷えを防ぐために実践していることを紹介したいと思います。
皆さんは、最近、体温を測りましたか?自分の平熱が何度だか分かりますか?
健康な人の平熱は、36.8度±0.3〜0.4度。つまり、36.5度〜37.1度の間が健康体の体温なので、もし、平熱が健康体温の範囲を下回っていたら、ご自身の体にちょっと関心を持ってみませんか?
私はこれまで、体温を測るのは「風邪をひいたかな?」と思った時ぐらいで、自分の平熱を知りませんでした。自分の体に関心を持つようになり、続けて体温を測ってみると、思っていたよりも平熱が低く、「低体温」であることがわかり驚きました。最近は、平熱が35度台の人が増えていて、この50年間で平均体温は0.9℃も下がっているそうです。
● では、「低体温」はどのようなことを引き起こすのでしょうか?
体温が1℃下がると免疫力は30%も低下してしまうそうです。また、ガン細胞は、35度台の低体温の時にもっとも活発に増殖しますが、逆に体温が高いと増殖することができないことが分かっています。
● 「体温を上げる」と、どのような効果があるのでしょうか?
体が温まれば血液の循環が良くなり、老廃物は体外に排出され、血液も体の中もきれいになっていきます。細胞に必要な物質が届きやすくなり、細胞は活性化して新陳代謝も良くなります。体温が1℃上昇すると免疫力は5倍から6倍も高くなるそうです。
それでは、「体温を上げる」ためにはどうすれば良いのでしょう。
筋肉は最大の熱産生器官で、体の筋肉の70%は下半身にあります。よって、足やお尻の筋肉を鍛えると全身の血行が良くなり、体温が上昇します。ウォーキングやサイクリングも下半身の運動に最適なのですが、私が実践しているのはスクワット運動です。
<スクワット運動>
食べ物には「陽性食品(体を温める食品)」と「陰性食品(体を冷やす食品)」、陽でも陰でもない「間性食品」があります。
陽性食品(体を温める食品)は、色は暖色系で、水分が少なくしまっていて、寒い地方でとれる食材で、赤身の肉や魚介類、根菜類、塩・味噌・醤油、そば・スパゲッティ、チーズ、黒ゴマ、黒砂糖、紅茶、日本酒、赤ワインなどがこれにあたります。
意識して体を温める食品を摂るようにして、体を冷やす食品を摂る場合には、体を温める食品と一緒に摂るようにしましょう。
ここでは、私が毎日飲んでいる生姜紅茶を紹介します。
● 用意するもの
● 作り方
熱い紅茶のなかに、適量の生姜と蜂蜜か黒砂糖を入れるだけです。私は、蜂蜜入りの紅茶を保温効果のあるポットに入れて持ち歩き、飲む時にチューブ入り生姜を加えるようにしています。とても簡単なのに、飲むとすぐにぽかぽかしてきます。
しっかり湯船に入って体全体を温めることで、血行が良くなり、細胞の働きや白血球の働きが活性化します。また、お湯の水圧が血管やリンパ管が刺激して血液やリンパ液の流れも良くなります。発汗によって皮膚から老廃物が出て、血液がきれいになる効果もあります。
入浴方法は、まず、全身浴で体を温めた後に、みぞおちから下だけをお湯につける半身浴を20分くらい行います。柚子や天日干ししたみかんの皮を湯船に入れると、香りも良くリラックスできて、精神的にも落ち着きます。体を目覚めさせるには41度程度の熱めのお湯に、疲れを癒すためには39度以下のお湯に入るのが良いと言われています。急激な温度変化は危険なので、熱すぎるお湯に入ることは避けましょう。また、水分補給も忘れないようにしましょう。
体を外から温めることも大切です。
最近は、腹巻も薄手でおしゃれなものがたくさん出ています。腹巻にポケットがついていて、カイロが入れられるものもありお薦めです。首や手首、足首から、熱を逃がさないようにするためのウォーマーも活用しましょう。
まずは、運動をして下半身の筋肉を鍛え、体を温める食事を取り、腹巻などを利用して体を冷えから守りましょう。風邪やインフルエンザに負けない体をつくり、今年も一年元気に過ごしましょうね。
【参考文献】