ときわ会HOME > 介護老人保健施設 小名浜ときわ苑 > 介護予防の視点
こんにちは、理学療法士の飛田ひかるです。
当小名浜ときわ苑リハビリテーション部では、介護予防に関するコラムを2年間にわたり色々な視点から情報を発信してまいりましたが、いかがですか?みなさんが知りたかったこと、逆に知っていたけれど再発見できた内容等はございましたか?
今回は、改めて復習の意味で『介護予防サービス』について、お話したいと思います。
介護予防サービスとは、介護保険の申請を行い、要支援1・2と判定された方が利用できるサービスです。
実際サービスを利用するにあたり、まず地域包括支援センターに連絡をします。地域包括支援センターの職員が重要事項説明をし、同意を得てから契約となります。
次にご本人様・ご家族様が悩んでいること、困っていることなど聞き、これからどうしたら良いか話し合いが行われます。そして、どのようなサービスを利用できるかセンターの職員と「介護予防ケアプラン」を相談しながら作成します。
それからサービス事業者と契約を結び、実際のサービス利用が開始されます。
定期的に「介護予防ケアプラン」の目標が獲得できているか評価を実施し、見直しが必要な場合は現状に適した内容で作り直されます。
歳を重ねていくうちに、身体のどこかに不具合が生じたり、今まで出来ていたことが難しく感じたりすると思います。
サービスに全てお任せするということではなく、ご本人様が出来ることを少しずつ増やしていき、「自分らしい」「生き生きとした」生活を取り戻そうとお手伝いするサービスだと考えてください。
サービスの内容として、日常生活のお手伝いとしては「介護予防訪問介護」があり、ヘルパーが訪問し、料理や洗濯など家事動作を利用者と一緒に行い、自分で出来る事が増えるよう考えられております。その他に「介護予防訪問入浴介護」「介護予防訪問リハビリテーション」があります。
「介護予防居宅療養管理指導」では医者等が、薬の服用の仕方や食事など管理・指導し、「介護予防訪問看護」では看護師等が介護予防を目的とした療養上の世話や診療の補助等行います。
また「介護予防通所介護」「介護予防通所リハビリテーション」では、食事・入浴のサービスや身体を動かし運動機能向上や栄養改善、咀嚼・飲み込み等の口腔機能向上が行われます。
さらに、「介護予防短期入所生活介護」「介護予防短期入所療養介護」で短期的に施設等に入所し、生活機能の維持の為の訓練などが行われます。他にも「介護予防福祉用具貸与」「介護予防住宅改修」など様々あり、あらゆる面でその人に合った内容を提供できるようになっております。
まずは現状を把握し、必要であれば地域包括支援センターに行き、自分に・家族に適した内容が受けられるよう相談しましょう。
当小名浜ときわ苑リハビリテーション部には現在、理学療法士5名、作業療法士1名、健康運動指導士1名、助手1名が在籍しております。
また、当苑をご利用されている中で、介護予防通所リハビリを利用されている方は現在14名、介護予防訪問リハビリでは2名の方が利用されております。
介護予防通所リハビリを利用されている大正生まれのNさんは、脊柱管狭窄症を患い、自宅ではほとんど歩くことがなく、足のシビレがあり歩行も長距離は難しい状態でした。
平行棒内歩行およびシビレに対する電気療法により、まだ3回の利用ですが「足が踏ん張れるようになった」と話し、平行棒内を最初は両手を使用し歩いていましたが、現在は使用せず歩くことが可能になりつつあります。
また、骨粗しょう症・胸腰椎圧迫骨折の既往があるKさんは、パワーリハビリ、ウォーターベッドでのマッサージ、階段昇降、温熱療法、集団体操を行なっております。一時期体調不良により1ヶ月程リハビリができない状態にあり、下肢の筋力低下、歩行障害がみられました。
リハビリを再開し、現在では以前と同様な身体機能にまで改善され、さらに自分からベッドでの練習を取り入れるなど「やらされているリハビリ」ではなく、「自分から行うリハビリ」を実践されております。
この他の利用者の方々からも、「畑をする事は難しいけれど、畑を見に行くことは出来るようになった」や「少しだけど、台所に立てるようになった」との声も聞かれます。
何かの御縁で当苑のサービスを利用される際は、ぜひ「自分らしい」「生き生きとした」生活を取り戻すために、ご一緒にリハビリを行っていきましょう!スタッフ一同、ぜひお待ちしております。