東日本大震災からすでに数年経過しましたが、以前より環境放射線レベルは低下したとはいえ、放射性物質の危険性などわからないことが多く、まだまだ心配は尽きません。そこでときわ会では、安心安全な福島での生活を支援するために以下の「放射線被ばく」に対する取り組みを行っています。
放射線被ばくには、外部被ばくと内部被ばくとがあり、環境中の放射性物質によって体外から被ばくするものを外部被ばくといい、放射性物質を含む空気、水、食物などを摂取することにより放射性物質が体内に取り込まれることによって起こる被ばくを内部被ばくといいます。
現在は、空気や水の放射性物質の汚染はほぼ0ですが、摂取する食品に関しては個人差がとても大きいため、放射性物質がたくさん含まれた食品を多く取ることで内部被ばくする可能性があります。スーパーで販売している食品は、検査済みで心配はまずありませんが、家庭菜園や自分でとられた山菜やきのこ、魚類では放射性物質の含有量が不明なため、これらを日常的に摂取していると内部被ばくの危険性が高まります。
このように、同じ環境で生活していても、摂取する食品によっては内部被ばく量が大きく異なる可能性があります。そこでときわ会では、安心安全な福島での生活を支援するため、現在の生活スタイルによる内部被ばく量を測定することによって、少しでも被ばく量低減にお役にたてるよう内部被ばく検査を行っています。
放射線による健康被害の一つとして、最も心配されるのが悪性腫瘍(がん)の発生です。ときわ会では、高機能CT(256列)や最新型MRI、浜通り初導入であるPET-CT(核医学検査)などの画像診断機器の導入によって、より早期にがんの発見ができるように努めています。
今回の原発事故はこれまで経験のないことであり、放射線被ばくによる健康被害の管理に関しては、まだまだ手探りの面が多々あります。そこでときわ会グループでは、震災直後より放射線被害の防止に積極的に取り組んでおられる特定非営利活動法人 医療ガバナンス研究所 上昌広先生、福島県立医科大学医学部 公衆衛生学講座 特任教授 坪倉正治先生からご指導いただき、放射線被ばくの管理に取り組んでいます。特にホールボディカウンタによる内部被ばくの測定には、機器の精度管理がとても重要となりますが、南相馬市立総合病院での経験をご指導いただき、より正確な測定に努めています。