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透析の栄養管理透析の栄養管理

日々の食事管理について

良い透析治療をするためには食事管理が重要となります。
毎日の食事を制限するのではなく、ちょっとの工夫をすることが大切です。

1. 高エネルギー食にする。

基準摂取量 標準体重×30〜35kcal/kg/day

  • 1.主食をしっかり食べましょう。(ご飯・餅等)を利用しましょう。
    麺類は塩分や水分が多いので注意しましょう。
  • 2.油脂類を上手に使いましょう。
    サラダ油・マヨネーズ・マーガリン等の油脂は、少量で効率的にエネルギーが摂れるので、揚げ物、炒め物、サラダなどで利用しましょう。
    *揚げ物にレモン・酢などの酸味をプラスするとおいしく食べられます。
    *天ぷら・フライなどは揚げたてを食べましょう。揚げたては香ばしいのでソース等の調味料がなくてもおいしくいただけます。

2.適正なたんぱく質を摂り、リン(P)を上手に制限しましょう。

リン(P) 基準量摂取 たんぱく質(g)×15mg以下
たんぱく質 基準摂取量 標準体重×0.9g~1.2g/kg/day

  • 1.たんぱく質を適正に摂ることは、リン(P)の制限に繋がります。
  • 2.小魚・牛乳はCaなどが多く含有しておりますが、摂りすぎはリン(P)の過剰摂取に繋がりますので注意しましょう。
    乳製品を1日に重複して摂取することは避けましょう。
  • 3.肉類も摂りすぎに注意しましょう。
    たんぱく質10gでリン(P)が130mg含有していると考えてください。
    例えば50gのたんぱく質摂取で650mgのP摂取したと計算することができます。
    あくまでも目安の計算方法ですので、成分表を活用する事をお勧め致します。

3.カリウム(K)を制限しましょう。

基準摂取量 2000mg/day以下

  • 1.野菜・芋類は茹でこぼしてから調理しましょう。
  • 2.納豆・トマト・コーヒー・チョコ・豆類・とうもろこし・干し椎茸・だし昆布・きくらげなども注意しましょう。
  • 3.果物は生で摂取する場合は100gまでにしましょう。
    バナナ・メロン・キウイはカリウム(K)含有が多いので控えましょう。

4.塩分制限のポイント

基準摂取量 6g/day未満

  • 1.新鮮な素材を使用しましょう。
  • 2.酸味をいかしましょう。(レモン・酢などの柑橘類)
  • 3.油で揚げたり、焼いたりして香ばしさを出しましょう。
  • 4.香辛料を利用しましょう。(唐辛子・わさび・こしょう・生姜)
  • 5.だしを効かせましょう。
  • 6.塩分は1品に重点的に使いましょう。
  • 7.醤油・ソースは小皿にとって使用しましょう。
  • 8.適温で食べましょう。(温かいものは温かく、冷たいものは冷たく)

具体的な減塩はこちら

5.水分管理をしっかりしましょう。

透析治療では一番重要です。

  • 1.塩分を摂りすぎと喉が渇いて水分が欲しくなります。
    体内のNa(ナトリウム)濃度が高くなり薄めようとする作用がおこります。
  • 2.水分の多い料理(麺類・おじや・鍋物・煮込み料理)は控えましょう。
  • 3.うがいなども知らずに水分が体内に摂取されてますので、回数の調整をしましょう。
  • 4.氷も1ケ20mlの水分ですので、注意しましょう。

採血データの見方

Alb(アルブミン)

基準値 3.8以上
栄養状態を評価 する指標になります。
適正なエネルギー・たんぱく質を摂取することが大切になります。

BUN (尿素窒素)

基準値 60~80mg/dl以下
たんぱく質の代謝産物です。
たんぱく質の過剰摂取で上昇、不足で低下。
透析効率(十分な透析)も影響します。

Cr (クレアチニン)

筋肉量に関与します。
筋肉量の多い方は高く、体格の個人差があります。

T-CHO (総コレステロール)

食事内容との関連が強いため、栄養状態評価の指標になります。

K(カリウム)

基準値5.5mEq/l以下
K(カリウム)の濃度が高くなると(7.5~8.0mEq/l以上)心停止などの危険があります。

【注意】
生野菜・果物・芋類、たんぱく質の過剰摂取は避けましょう。
エネルギー不足でもカリウムが上昇します。
消化管出血でも上昇する場合もあります。

Ca(カルシウム)

基準値8.4~10.0mg/dl
高値は危険。
筋の緊張低下、しびれ、イライラ感などが表れます。

P(リン)

基準値3.5~6.0mg/dl (目標5.5mg/dl以下)
血清P値が高くなるとCa値が低下し骨が脆くなり骨折の要因となります。
石灰分の異常沈着も起こりやすくなります。

【注意】
たんぱく質の過剰摂取、Caの過剰摂取で上昇します。
Ca(カルシウム)×P(リン)積値が.55mg/dl以下を目指しましょう。

HbA1C(ヘモグロビン エーワンシー)

過去2ヵ月~1ヵ月の血糖値に関与しているため、長期的な血糖コントロールの評価に用います。
また、エリスロポエチン製剤の投与でHt(ヘマトクリット)が急速に上昇している時期のHbA1cは見掛け上、若干低い数値になる場合があります。

HbA1cと過去の平均血糖値には以下の表のような関係があると報告されています。
普段の血糖値の測定を記録したものや、採血データからのHbA1cを見て血糖の状態を確認しましょう。
HbA1cと過去の平均血糖値には以下の表のような関係があると報告されています。
普段の血糖値の測定を記録したものや、採血データからのHbA1cを見て血糖の状態を確認しましょう。

HbAlC
(%)
平均血糖値
(mg/dl)
4% 60
5% 90
6% 120
7% 150
8% 180

【Diabetes Contorol and Complications Trial(DCCT)の調査による】